殿坂 について知っていることをぜひ教えてください
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高遠城址への西方からの登り口にあたる。殿(トノ)は高い段丘を意味することから、殿坂は段丘へ登る坂道と考えられる。また、藩主である殿様が通行する坂道から名付けられたともいわれる。
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殿坂を「どの坂」と発音するのは訛言葉と思われる。近世の記録には、出坂、土ノ坂の表記も見られる。
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御家中十六町のうち殿坂町を含み、殿坂の両側には近世以来、屋敷町が形成されてきた。明治期より殿坂は町内名としても使用されている。
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位置は不明であるが、根小屋(ネゴヤ、ネコヤ)の地名が残っているとされる。根小屋は「甲陽軍鑑」などで普通名詞として用いられ、山の上に城のある城下町を示すとされている。
【地域の教科書】
【木の下陰】
追手の坂を殿坂と云ひ同所より若宮へ別るる坂を自分坂と名付けて若宮の諸士下の本道を行けば道遠く障あるゆへ自分にてひらきたる坂と云傳ふ雪降りぬれば町役にて人足出て雪をかく自分坂にはかまわず殿坂と言より出て自分坂となづくるにや殿坂といふべきをどの坂と濁りて唱ふ二つ共に俗ながらめずらしき名なるべし